サンレモ・スピードスーツの歴史は、カステリの敗北から始まります。振り返ること2009年、カステリは当時サーヴェロ・テストチームのスポンサーとしてウェアを供給していました。その年のミラノ~サンレモで、サーヴェロの選手であるヘンリッヒ・ハウッスラーが、見事なトレインで最終のスプリント勝負をお膳立てしましたが、レースの最後でマーク・カヴェンディッシュにわずか2cmの差で敗れてしまったのです。
この屈辱の2cmを取り返すために、新たな製品を研究。その思いは、2011年に発表した初代サンレモ・スピードスーツに託されました。
サンレモは、その後のプロライダーの着こなしに革命を起こし、ワールドツアーの最速アスリート達とのコラボレーションにより、幾度となくアップデートが施されてきました。
2011年、カステリとサーベロ(ガーミン-サーベロに社名変更)は、パリ〜ルーベにおいて、この新しいスピードスーツを着用したベルギー人ライダー、ヨハン・ヴァンサンメレンがスイス人のファビアン・カンチェラーラに19秒差をつけて単独優勝し、見事雪辱を果たします。
その後の数年間、カステリはスピードスーツの継続的な改良に取り組み、大きな成功を連続して掴み取ります。
そしてついに2017年、カステリがスカイチームの公式スポンサーを務めていた頃、サンレモ・スピードスーツはミラノ〜サンレモで、クヴィアトウスキがサガンとアラフィリップを出し抜き、わずか数センチの差で勝利を手に入れ、あの時の悔しい敗北を帳消しにする大きな真価を発揮したのです。
製品の特徴とは?
サンレモ・スピード・スーツは、10年以上に渡るワールドツアーでの最速ワンピースとして名を馳せ、ロードレースにおいての大きなタイトルに挑む選手達の必須アイテムとして価値を高めていきます。
風洞実験解析(CFD)に基づく縫製、素材、そしてスーツのショーツ部分に採用されたフリー・エアロ・レース・ビブショーツにより、エアロパフォーマンスと、最も長く過酷なレース日に必要な快適性、耐久性、通気性のすべてを高いレベルで実現します。
脚部には、適度な着圧で筋肉をサポートし、エアロ効果を発揮する表面に滑らかな凹凸のあるディンプルボルテックス素材を使用し、フロントと袖には通気性の高いベロシティレブ2素材を採用。ライド中、涼しく乾いた状態を保つために格別なエアフローを提供します。
肩も立体的なエアフロー構造で風の抵抗を軽減し、空気抵抗を計算して肘までの長さにカットされたスリーブは、肌に自然とカットオフ仕上げとなっています。