これほどレベルが高く、層が厚いグラベルレースは他にない。オリンピックチャンピオン、MTB世界チャンピオン、パリ・ルーベ優勝者、オリンピック金メダリストのトライアスリートまでがレースに参加している。バイクにまたがると、自分を縛るものが何もないように感じられる稀有な一日だった。(レースは2つの強烈な上り坂から始まった。地獄のような急勾配で、テクニカルな平坦コースの後に険しい上り坂があった。登りが苦しいと感じる日もあるが、この日の私は、最初の登りで20人以下に絞られた集団をリードし、調子良く挑む準備ができていた。幸運なことに、私はMTBの経験があり、ホームロードのアドバンテージがあるため、この下り坂を自信とスピードでこなすことができた。私はMTB界のレジェンド、ルーカス・バウムとともにこの下りをリードし、2つ目の登りに入った。ホームの利というアドバンテージを活かして、濡れた岩や泥、シングルトラックとなる次の22％の上りに挑んだ。「最初に登り始めたのは僕なんだから、最初に登り切るのも僕だ、と強い気持ちで望んだんだ。」何度か後ろを振り返ると、レースの有力選手たちが限界に達しているのが見えた。エルス・エンジェルを11人の集団で登り切ると、長いダウンヒルが続き、エンポルダの平地に出た。

レース後半は、残念ながら前半ほどうまくいかなかった。ガヴァレス山脈を登りきったところで背中が痛くなり、先頭集団から脱落してしまった。ここはグラベルなので、メインペロトンもグルペットもなく、できる限りフルで走り続けたが、川や野原を越え、ジローナへ戻るために内陸を走るので、長時間を自分ひとりで走ることになった。最終的には20位でフィニッシュ。1日の始まりに望んでいた順位ではなかったけれど、最も重要なのは、それでも1秒1秒を楽しめたということだ。ホームということで、沿道で応援してくれる友人たちが沢山いたのは素晴らしいことだ。レース前の1週間はずっと雨が降っていたので、いつもは埃っぽい乾いた砂利道も、真新しいような路面に変身していた。私は1週間前からあらゆる場所をチェックし、何が待ち受けているかをできる限りシミュレーションしていたのだ。レースになると、いつも練習では想定していなかった楽しさとテクニカルな要素が加わる。我々が外でレースをするのには理由がある。

このレース週のジローナのエネルギーは異常とも言えるものだ！何千人ものサイクリストが訪れ、ブランドや関係者がこの小さな町に大きなエネルギーをもたらしている。このような素晴らしい形でサイクリングの魅力を発信できることを幸運に思う。